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トップ 豊胸に関する基礎知識 【医師監修】豊胸術後に乳がん検診は受けられる?
2022.09.18

豊胸術後に乳がん検診は受けられる?

乳がんは乳房中の乳腺にできるがん。死亡率は増加傾向ですが、早期発見・早期治療で95%という生存率も報告されています。ところが、「豊胸手術をすると乳がん検診が受けられない」という話もあります。豊胸や乳がん検診の種類、治療により受けられる検査・受けられない検査について解説します。

1.豊胸術を受けると乳がんになる?

豊胸術をしたからといって、乳がんになるわけではありません。「豊胸術を受けた人が乳がんになる」と言われる原因として、主に2つのことが考えられます。

ひとつは、豊胸術を受けた後に乳がん検診を受けなかったことで手遅れになるケース。もうひとつは、シリコンバッグ挿入法の内容物により引き起こされるケース。過去に挿入されていた一部の人工乳腺バッグは、破損や有害物質を含むという理由から、抜去が推奨されています。なお、ヒアルロン酸や脂肪注入、PRP療法を含む血液豊胸の注入材料と乳がんとの関連性は認められていません。

2.豊胸術後の乳がん検査は受けられるものと受けられないものがある

「豊胸術を受けると、乳がん検診が受けられない」と言われることがあります。実際、一部の豊胸術について、マンモグラフィーが受けられないという事実はあります。また、民間ではなく、自治体が実施の市区町村で行われている住民検診では基本的に「どの術式であっても豊胸術を受けた人は乳がん検診を受けられない」とされています。民間の医療機関の場合、各々受付状況が異なるため、検査内容・豊胸術後の受けいれ状況の確認が必要です。

3.豊胸の種類と乳がん検診の種類

豊胸の種類と乳がん検診の種類を紹介します。

豊胸術の種類

シリコンバッグ挿入法

脇や胸の下を4センチほど切り、シリコンバッグを乳腺下や大胸筋下に挿入する豊胸術です。体内に「シリコンバッグ」という異物が入ると、異物を閉じ込めようとして被膜が形成されます。時間が経つと、胸が硬くなったり、変形したり、破損することもあります。被膜にカルシウムの結晶が沈着すると、さらに硬くなり、破損を招きます。バッグはどの検査を受けてもはっきり映ります。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸製剤を乳腺下に注入する豊胸術です。ヒアルロン酸は人体に元々含まれる成分で時間の経過とともに吸収されますが、周囲に形成された被膜は吸収されず、しこりになることがあります。しこりは超音波やCTに映ります。

脂肪注入

患者様ご自身の太ももなどから脂肪吸引を行い、バストに注入する豊胸術です。注入した脂肪の20〜50%は壊死し吸収され徐々にサイズダウンし、残りは生着します。壊死した脂肪が吸収されない場合、しこりとなることがあります。しこりは超音波やCTに映ります。

PRP療法

PRPは血小板を多く含む血液成分のこと。PRP療法は血液豊胸のひとつで、血小板が持つ「組織を修復する力」を生かし、バストの脂肪を成長させる豊胸術です。血小板がしこりを形成する原因にもなります。

ゼロクリニックの血液豊胸

脂肪を成長させる豊胸術です。患者様の血液を採取し、遠心分離機にかけ、血小板を徹底的に除去した「無細胞プラズマジェル」を、脇の下から注入します。PRP療法との大きな違いは、しこりの原因となる血小板を除去していることと、定着率を上げるために栄養剤等を加えていること。

乳がん検診の種類

乳がん検診には医師の問診、視触診の他、機器を用いたマンモグラフィー、超音波(エコー)検査、MRI検査、自分でチェックする自己検診があります。

マンモグラフィー

乳房を挟んで圧迫固定しながら撮るレントゲン写真。乳がんの一次検査として有効性が証明されています。乳腺と乳がんのサインである「しこり」は白く写り、脂肪は黒く映ります。乳房を圧迫するため、痛みを伴います。シリコンバッグの破損やヒアルロン酸のしこりが潰れるリスクがあります。

超音波(エコー)検査

超音波を乳房に当て、反射して返ってくる信号を画像化する検査。乳腺は白く、多くの乳がんは黒く映るため、腫瘍・しこりの有無、乳腺や皮下脂肪の状態などがわかり、触診では見つけられない小さなしこりを発見することができます。被爆や検査中の痛みはありません。マンモグラフィーとの併用による有効性が報告されています。

MRI検査

磁気を使って乳がんの広がりを調べることができます。最も優れた検査で被爆もありませんが、検査機関が限られます健康保険が適応されても1回のランニングコストが非常に高いため検査費用が高額になります。

視触診

医師が乳房に触れて観察します。しこりの有無・乳房の皮膚の異常・乳頭からの分泌物・わきの下のリンパ節の腫れ、などを調べます。

自己触診

月1回程度を目安に、手指で皮下に乳腺を触れて、しこり・左右の乳房の形の変化・皮膚の「ひきつれ」や「えくぼ」の有無・分泌物の有無などを自分でチェックする方法です。異常に気づいたら乳腺の専門外来を受診しましょう。乳ガンの組織が大きくなってからでないと、異常に気づきにくいケースが多く癌ステージも施工している早期治療を必要となります。

4.豊胸術と受けられる検診・受けられない検診

 <シリコンバッグ挿入> <ヒアルロン酸> <脂肪注入 > <PRP療法> <血液豊胸>

マンモグラフィー

×


◎  



超音波(エコー)検査






MRI検査






視触診・問診・自己検診





5.クリニックにより対応は異なる

豊胸術後の乳ガン検診は、「触診と超音波エコー」であれば大きなリスクはありませんが、自治体が行う住民検診では「術式・検査方法に関わらず豊胸術を受けた人は乳がん検診を一切受けられない」こともあります。

なお、検査を受ける際は、豊胸術を受けたことを申告しておいた方がよいでしょう。申告しなかった場合や術式・素材が不明の場合、検査画像が正確に読み取れないこともあり、精密検査を受けるよう促されることもあります。

豊胸術後の検査を積極的に受け容れている、プライバシーが確保されている医療機関を調べておくと安心です。

6.まとめ

乳がんは早期発見により助かる確率が高い病気ですが、一次検診で有効性が証明されているのはマンモグラフィーだけです。40代以降は乳がんが増加するため2年に1回の検査を心がけたいところですが、「シリコンバッグ挿入」をしていると、破損リスクがあるためマンモグラフィーが受けられません。ゼロクリニックの血液豊胸ならマンモグラフィーを含めた乳がん検診を受けることができます。豊胸のために乳がん検診をあきらめたり、乳がん検診のために豊胸をあきらめたりすることはありません。豊胸をしても、定期的な検査を継続しましょう。


ドクター

高橋 成太

2003年 兵庫医科大学を卒業
2003年 大阪市立大学附属病院 勤務
2005年 大手美容外科 勤務
2019年 銀座ゼロクリニック 開業

<所属学会>
日本乳癌学会 会員
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 会員

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