脂肪注入は、バストに傷が残らない自然な仕上がりの豊胸術ですが、残念なのは「定着しない」こと。
脂肪注入をはじめ、PRP療法やPPP療法、ヒアルロン酸注入の定着しない理由と定着率を上げる方法、「定着」という概念がない血液豊胸の効果が持続する理由を解説します。
定着のためにしてはいけない行為、やるといい方法なども紹介します。
脂肪注入の概要と脂肪注入が定着しない理由、脂肪を定着させる方法について解説します。
脂肪注入に使用する脂肪は、患者様自身の体から吸引して採取します。お臍や脚の付け根、内腿やお尻の頂点を数mm切り、脂肪吸引により採取した脂肪から不純物を除き、細かくして胸に注入。「異物を入れず、自分の組織を使って豊胸できる」「胸に傷がつかない」「違和感なく自然な仕上がり」というメリットがありますが、「定着しない」というデメリットがあります。
豊胸の「定着率」とは、バストに入れた注入材が吸収されずに残る割合のことを指します。個人差があり、一定ではありません。脂肪注入による豊胸の定着率は、20〜50%が吸収され、残りの生着した分は半永久的とされています。見た目は3か月程度で落ち着き、定着完了までは6か月~1年程度が目安です。
・脂肪注入が定着しない理由
脂肪注入が定着しないのには、理由があります。
① 肪吸引時に酸素に触れると酸化ストレスで脂肪がダメージを受ける
② 1回の定着量には限界がある
③バスト内のスペースが無いと脂肪にストレスがかかる
④そもそも脂肪が取れてない
脂肪吸引時の脂肪の処理の方法はクリニックにより異なります。脂肪にダメージを与えない工夫をしているクリニックもあります。
1回に脂肪注入できる量には限界があります。吸引した脂肪は血液が通っていないため、新しい血管ができるまで体液から酸素や栄養を受け取って定着を待っている状態です。スペースが狭いと、圧迫され酸素や栄養を受け取りにくくなります。ただし、出産経験がある人は出産経験がない人に比べ、バストの皮膚が伸びやすくスペースができやすい傾向があります。圧迫によるストレスがかかった移植脂肪は、壊死して吸収されてしまいます。
脂肪をバストに定着させるには、脂肪吸引時に脂肪を空気に触れさせないこと。これは、クリニックによるので、事前にチェックしておきましょう。
ご自身でできることとして、「一度に大量注入せず、回数を分けて治療に臨むこと」「新しい血管ができるまでの3か月程度はダイエットを避け、栄養バランスの良い食事を心がけること」反対に「喫煙は血管を収縮し血行不良になるため控えること」が挙げられます。マッサージは血流をよくするイメージがありますが、脂肪注入後のマッサージは脂肪がかたまり、血液や酸素が供給されず脂肪壊死やしこりにつながるため、3か月は避けてください。
脂肪注入より定着するPRP療法の概要と定着しない理由・する理由を解説します。似た方法にPPP療法がありますが、効果は異なります。
PRP療法は、患者様ご自身の血液を採取し、遠心分離した後、「血小板に富む血漿濃縮物」をバストに注入する豊胸術です。
PRP療法の定着は半年から3〜4年と言われています。血小板には「成長因子を出す」という働きがあります。脂肪を入れなくても、成長因子を出すことで、今ある脂肪を増殖させることができます。メスを使わず、傷跡も残らず、手軽に行うことができる治療ですが、血小板自体がしこりを作る原因となるため、しこりによる成長阻害を起こしている可能性も考えられます。
PPP療法は患者様ご自身の血液を採取し、遠心分離した後、「血小板を減らした血漿濃縮物」をバストに注入する豊胸術。「血小板」の量が、PRP療法との違いです。血小板の量を少なくすることで、血小板の持つ「凝固作用」を抑え「しこり」のリスクを減らしていますが、血小板には「成長因子を出す作用」もあるため、PPP療法では成長因子が十分に出ず、脂肪を成長させる効果が得られません。
ヒアルロン酸注入の概要と定着しない理由・する理由を解説します。
ヒアルロン酸豊胸は、バストに針でヒアルロン酸製剤を注入する豊胸術です。ダウンタイムは3日ほど痛みを感じる可能性がありますが、メスを使わず、傷跡も残らず、手軽に行うことができる治療です。
ヒアルロン酸はもともと体内に含まれる成分。製剤は1〜2年程度かけて徐々に吸収されるため、定着しません。製剤にはさまざまな種類がありますが、柔らかく自然でなじみがよい製剤ほど吸収が早く、硬い製剤ほど持ちがよくなります。
血液豊胸の概要と定着しない理由・する理由を解説します。
ゼロクリニックの血液豊胸は、患者様ご自身の血液を採取し、血小板を徹底的に排除した「無細胞プラズマジェル」を作成。脇の下からバストの脂肪組織に注入します。
ゼロクリニックの血液豊胸は、そもそも定着という概念とは無縁の、脂肪を成長させる治療です。一度成長した細胞のサイズダウンはありません。例えば、ダイエットをしてしぼった身体を作っても、気を抜いた食生活をするとすぐにリバンドするのと同様、一度付いた贅肉はなかなか取れないのです。PRP療法やPPP療法は血小板の作用により脂肪を成長させる効果が期待されますが、効果はわずかです。ゼロクリニックの血液豊胸は血小板に頼らず、無細胞プラズマジェルに栄養剤などを独自のブレンドで加えることで体内への吸収を抑えているため、効果が半永久的と言えるぐらいの仕上がりを実現します。
豊胸で定着しないリスクを避けるために、NG行為とやるといい方法を紹介します。
豊胸術後に定着するまで最低3カ月程度、極端なダイエットや喫煙は控えましょう。
極端なダイエットをすると、脂肪細胞のサイズが小さくなり、バストも小さくなります。栄養バランスが悪くなると、脂肪細胞に栄養や水分が行き届かなくなり、脂肪が壊死して定着しないリスクが増します。喫煙をすると血管を収縮して血流が悪くなるため、バストに十分な栄養が届かなくなり、効果が出にくくなる可能性があります。
豊胸術後、脂肪を定着させるためにやるといい方法として「バスト内のスペースを確保する」ことが挙げられます。許容量以上の注入物は脂肪を圧迫しストレスがかかるため、定着しにくくなります。大幅なサイズアップを希望する場合、回数を分けて無理なくスペースを確保しながら行うとよいでしょう。
ゼロクリニックでは術後に院長が状態を診て「カップ吸引固定」を行うことがあります。カップ吸引固定は、カップ吸引により皮膚を伸ばしてスペースを作りながらジェルを固定させ、バストラインを美しく仕上げる処置。術前のサイズが小さい人は、再診までの1週間も、ご自身でカップ吸引固定を行っていただくとよいでしょう。
脂肪注入が定着しない理由は、吸引時の酸化ストレス、注入後の脂肪壊死やスペース不足。定着させるには、脂肪吸引時に脂肪を空気に触れさせない、一度に大量に注入しない、3か月程度はダイエットや喫煙、マッサージを控えること。PRP療法が脂肪注入よりも定着する理由は、血小板を多く含んでおり、脂肪を成長させるから、ヒアルロン酸注入が最も定着しない理由は、徐々に吸収されてしまうためです。
ゼロクリニックの血液豊胸は「定着」という概念がなく、脂肪を成長・発達させる治療法なので、注入治療のなかではもっとも持続効果が期待できます。定着のためにしてはいけない行為は、極端なダイエットと喫煙です。やるといい方法はバスト内のスペースを確保し、回数を重ねて治療することです。
2003年 兵庫医科大学を卒業
2003年 大阪市立大学附属病院 勤務
2005年 大手美容外科 勤務
2019年 銀座ゼロクリニック 開業
<所属学会>
日本乳癌学会 会員
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会 会員